日本一の山 富士三湖を見る
晴天の空と暖かな風にに誘われて、河口湖から富士山麓青樹が原の樹海、風穴を走り抜け、富士五湖のうちあまり行くことのない本栖湖、西湖、精進湖の三湖を見ることにした。山中湖は道志道からよくいくことが多いので今回は省略する。
本栖湖は千円札の裏側の富士山の絵が有名である。お札ではこのススキの部分が桜の花になっている。昔の五千円札は、ここ本栖湖の風景が書かれているが今の五千円札は表が樋口一葉で裏はあやめの花になっている。
古いお札の話になると、私の財布には種銭として旧の百円札が一枚はいっている。あの茶色のお札である。表はひげをはやした板垣退助、裏は国会議事堂である。
千円札の撮影場所(故・岡田紅陽氏撮影)には案内の看板がかかっており、たくさんの人が湖面をバックに富士山の写真を取っている。昼近くなってきたので二合目付近に雲が出てきたが、まだきれいな容姿を隠すほどにはなっていない。
富士三湖は水面の高さがみな同じ高さ(湖面標高902m)だと聞く。時折ニュースで湖面の水があふれるということが伝わることもあるが、裾野は溶岩の体積なので湖底の水脈はつながっているのかも知れない。因みに水深は90.9mとかなり深い。これだけの水があるということは、いかに富士山は大きな山で広い裾野を持っているかということがわかる。規模、美しさやはり日本一の山である。
子抱き富士(大室山)
それにしても、山と湖、空と雲、絵になる風景である。富士山の写真をとる人は、ここに一週間ぐらい泊まりこみで写真を撮るのだと言っていた。以前紅葉台に行ったときも富士山にカメラを向けていた人が 「私はもう一週間待っているんです」 といっていたのを思い出す。現役を引退した折にはそんな体験もいいものだと思う。
精進湖はショウジコと読む。ここから見る富士は、子抱き富士といわれて円錐形の裾野に小さな山(寄生火山大室山)が重なって見える。これも湖を手前にすると良く映る。
樹海の真ん中を走る道路を少し戻り、西湖への分かれ道をはいり、集落を抜けると西湖のほとりに出る。湖畔では、ゆっくりお茶を飲む人、湖面に石を投げて遊ぶ子供たち、犬の散歩をする人などたくさんのひとたちがいる。他の湖の光景とちょっと違うような気がする。
湖に沿って走る道路は曲がりくねったカーブが多くスピード出しすぎると危険だ。特に景色を眺めながらの走行は要注意である。トンネルをくぐると河口湖の裏のほうに出てくる。この辺になると富士山の姿は山の陰になってみることができない。やはり富士山が見えない富士五湖は物足りない。
乙女の湖 西湖
「明眸(ほう)の精進、無の湖本栖」と詩人・金子光晴は、富士をめぐる二つの湖をこう表現している。これからの季節は晴れることが多いので、いろいろな富士の姿を見せてくれることだろう。良い風景をカメラに残したいものだと思う。
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