大内宿 Ⅱ 民家群を覗く
家の前を流れる山の湧き水の透き通って見える川底の石ころ、勢いのいい流れが清涼感を誘い。水の中に手を入れてみたくなる。川べりに座って流れる水に手を入れると冷たくて気持ちがいい。
大内宿
水路にかかる水車
それぞれのお店はいろいろなお土産品を並べているので一つ一つ覗いてみることにする。必ず試食品と冷たいお茶をサービスしてくれるので、街を往復するとおなかが一杯になりそうである。地元での農産物の加工品にもいろいろな工夫がありこれも長年の生活の知恵の結晶なのだろう。
名物の赤かぼちゃ
真夏日にバニラアイス・・・おいしい
大内宿は宿場を営みながらも農業をも営んでいたのでこの街並みを今に残すことが出来たと言われている。だから「しんごろう」や「そば」、「自家製味噌」、「山菜の佃煮」などの美味しいものが残されているのである。
土鈴、郷土玩具
青空に火の見櫓
歴史的背景から見ると、最後まで佐幕派であった会津藩は幕末の戊辰戦争では倒幕軍の侵攻により壊滅するが、大内は会津軍と新政府軍の激戦の場となった。
八十二段石段 子安観音堂へ
会津軍後退の時にはあわや焼き払いに遭うところであったが、言い伝えによれば,当事の名主による死を覚悟した抵抗によって免れたといわれている。
ご縁(五円)があるように
その後明治になって、関東と会津を結ぶ日光街道は大川沿いに新たに開通し、人、物の流れが新しい道路に移り大内宿は取り残されていった。
その、時代の波に取り残されることによって、今の茅葺の家並みを残すことになったといわれている。おかげさまで現在の我々の心の癒しの場所になったのである。
カラフルなわらぞうり
ところで以前、学生時代の友人がこの大内宿を訪れたときに、お土産に「一生青春」 の大吟醸を持ってきてくれた、それが美味しかったのでそれを探しながらお店を覗いて回る。
利き酒をやっていたのでいただくことにする。新酒を会津の雪の中に100日間寝かせた酒「大内宿」、これがまろやかでうまい。買って帰ろうとしたが今日中に飲まないとダメだというので、今夜の酒にすることにした。
マメコバチの巣(ハキリバチ科)
りんごや桃、梨などの花の受粉をさせる。ミツバチの何倍もの働きもの。
利き酒をやっている裏手に白壁の蔵があるので入ってみる。周り一面に酒、酒、酒・・・・福島の酒はほとんどあるようである。目に留まったのが「一生青春」。これだと早速購入、一生青春、言葉の響きがいい。
「一生青春」をみつける
これは福島の「曙酒造」が杜氏制度を廃止して蔵元自ら仕込みを担当することにし、平成九年に、蔵元だけで初めて造った酒に再出発の意味で「一生青春」と銘々したとの説明を聞いた。
大内宿一望
私も、還暦をむかえて再出発にはちょうどいい酒である。座右の銘という言葉があるが「座右の酒」として嗜んでいきたいものだ。真夏日の大内宿ではあったが、歴史的にも興味を引くものがまだまだありそうである。心が和む情緒豊かな風景、紅葉の高い空を仰ぐ大内宿もまた歩いてみたいと思う。
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