サギソウ 白鷺に似て
雨上がりの休日、空模様はあまり良くないがサギソウが満開だというので昭和記念公園に足を向けた。あいにくの天気なので人影はまばら、みんなの原っぱではちびっこたちのサッカー大会が行われている。
水鳥の池の近く、花木園の木道の下に小さな可憐な白い花がたくさん咲いている。うっかりすると見過ごしてしまいそうである。
唇弁が幅広く、その周辺が細かい糸状に裂けている様子がシラサギが翼を広げた様に似ていることからサギソウと呼ばれている。花は特に夜になると芳香を発するといわれている。
白い花は本当にサギが羽根をひろげて飛んでいる姿を思い起こさせる。コサギが飛んでいるという感じでしょうか。
サギソウは世田谷区の「区の花」に指定されていて、昔話での言い伝えがある。それによると、
『吉良頼康公の側室「常盤姫(ときわひめ)が悪い噂話のために追放され、身重で逃亡し、自害して身の潔白を証明しようとした。その際、飼っていた白鷺の足に遺書をくくりつけて飛ばしたのだが、白鷺は途中で力尽きて死んでしまう。
死因は飛び続けて力尽きたとも、鷹狩りの鷹や弓矢に落とされたとも言われている。その白鷺が多摩川のほとりでサギソウになったというお伽話である。』
そのせいで、多摩川には鷺の群れがたくさんいるのだろうか。ちなみにサギソウの花ことばは「夢でもあなたを想う」である。小さな可憐な白い花はそんなお伽話を語りかけているように見える。
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