不老ふ死温泉 沈む夕日と絶景の露天風呂
五能線とともに日本海の沿岸を走る国道101号線は黄金崎に着いた。舮作(へなし)海岸を見下ろす高台からは静かな日本海の波が太陽の光にキラキラと光る。
背後には緑の森の中に白く輝く舮作崎灯台と、ゆっくりとまわる大きな風力発電の羽が見える。雄大な日本海の水平線は、地球は丸いのだと教えてくれるように広がっている。
陸に目を転じれば、世界自然遺産の広大な白神山地の原生林の山並みが望める。青く晴れた空には、渡りの途中なのかゆっくりと大きな羽を広げて飛んでいるノスリの姿が見える。
目的の海岸と一体化した露天風呂から日本海に沈む夕日を見るには絶好の好天気である。本日の日の入りは5時20分ということで早めに準備をして待つことにする。
ノスリ
この不老ふ死温泉は、背後に灯台があるために高い建物は建てられないので、二階造りですべての部屋がオーシャンビューになっている。
荒磯の海岸にある露天風呂は、脱衣かごを持って海岸に行き、よしずで囲われたところで浴衣を脱いで茶色の源泉の湯に入る。入るときに白いタオルは、上がるときには茶色に染まっている。
お風呂は混浴風呂と女性専用風呂が並んであり、それぞれ水平線に沈む夕日と打ち寄せる波が目の前に見える。
日の入りの時刻が近づくにつれて人の数も増え、約30名ぐらいが赤く染まる夕日の海を風呂に入りながら眺めである。その中には体をバスタオルで隠した数名の女性の姿もある。若い人、昔若かった人多種多様である。
イメージ(入浴中の撮影は禁止)
絶景の露天風呂に浸かりながら、岩礁に砕ける白い波の向こうの遠い水平線を見つめる。この感動の至福の光景を脳裏に焼き付けるように楽しむ。
イメージ 露天風呂からのサンセット
空には少し雲はあったが、日の入の瞬間の真っ赤な丸い太陽がはっきりと見ることができて心和む思いである。これで寿命も少し延びたかなと満足して地酒のお猪口を傾けている黄金崎の夜である。
« 十二湖 白神山地のふもとで | トップページ | 千畳敷 殿様の酒宴の名残の景勝地 »
コメント