龍飛崎 鷹の渡りを見るつもりが
十三湖で、若いころに旦那にだまされて東京から嫁いできた、と笑顔でいう老夫婦の店で名物のしじみラーメンを食べて、国道339号線を海岸沿いに龍飛崎を目指す。車の少ない道路ではニホンザルの家族が道を占拠してしまう。
十三湖
思わず車を停めてサルが通り過ぎるの待つ。昼間だからいいようなもので、これが夜だったらと想像するとちょっと怖い感じがする。
七つ滝
龍泊ラインの眺瞰台では眼下に日本海が見え、津軽富士と言われる岩木山が遠く霞の上に頭を出している姿が目に止まる。振り返ると八甲田山の山並みも薄もやの中にどっしりと構えている。360度眺望の利くところである。
傾り石沢入口
龍飛崎の方角を見ると、その先には北海道の松前町、白神岬がすぐそこに見え、龍飛崎の白い灯台が下の方に位置するので、ここはかなり高い場所であることがわかる。
北海道が見える
七曲の道を下り、左に曲がると灯台への上り坂になる。灯台は開放されており、中に入って螺旋階段を上りデッキまで出ることができる。デッキに出て背中に大きな灯台のライトをしょって、北海道を眺める。
見下ろす日本海
灯台を降りて展望台に来ると、鷹の渡りを観察しているらしき人たちが数人いる。弘前大学の学生だという若者が、「朝から観察してますが、たくさんのノスリとツミが渡って行きました」と説明してくれた。双眼鏡を用意してその出現を待つ。
雲に浮かぶ津軽富士 岩木山
そんなやり取りをしているところへ、救急車が到着、近くで急病人が出たようである。鷹の渡りを見ようと双眼鏡で目を凝らしていると、視界に入ったのはなんと鷹ではなくヘリコプターである。
龍飛崎灯台
良く見るとドクターヘリと書いてある。頭上を旋回したあと、灯台の隣の空き地の草むらに着陸、深緑の手術着のようなものを着た看護師2人とドクターが降りて、救急車の中へ。
鷹の渡りを待つ
ヘリコプターはそのままドクターを残して2、3回旋回したあと飛び去ってしまった。鳥を待っていたら、同じ飛び物でもヘリコプターであったという落ちである。
そんなわけで、期待の鷹の渡りは見られず、引き上げることにした。灯台から坂道を降りて、国道339号線が自動車道ではなく、階段国道になっているというところを見るべく、海岸までさらに降りた。
太宰治記念碑
太宰治の碑があるところから少し先へ行くと、その階段の登り口になっている。登り口にははっきりと国道339号線のj標識が立っている。聞くところによると、この階段国道沿いに咲くあじさいの花は見ごたえがあるらしい。
階段国道339号線の登り口
登りきったところは、同じく国道の標識が立っているが、こちらはあの石川さゆりの大ヒット曲「津軽海峡冬景色」の歌碑がある。碑の前に来ると音楽が聞こえてくるようになっている。観光バスの団体さんがにぎやかに記念写真を撮っている。
階段国道339号線の下り口
津軽半島の最北端にある龍飛崎は、岬を吹き抜ける風が強いことから「風の岬」ともいわれ、龍飛崎という地名も龍が飛ぶほどの強風が吹くことに由来していると言われる。
「津軽海峡冬景色」の歌碑
防寒具も用意してきたが、幸い風も少なく暖かい龍飛崎ではあったが、鷹の渡りは見ることができなく残念である。途中で見たノスリで我慢することにする。ここからは今来た龍泊ラインを十三湖の手前まで戻る。そこからは、太宰治の生まれた金木町までノンストップで向かうことにした。
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