ツミ 恋の季節
三月の声を聞くと土手を歩いていても土筆が顔を出し、蕗の薹がおいしそうな柔らかな色を見せる。
寒梅と言われた梅の花はすでに終わりに近くなってくると、早咲きの桜が濃いピンク色の花を開き始めた。
自然は間違いなく春を運んできている。公園で越冬した冬鳥たちも、そろそろ故郷への帰り支度を始めている。
公園を歩いていると囀り始めたウグイスの声が聞こえてくる。シジュウカラのさえずりはひときわ大きく聞こえる。
そんな公園の森の奥深く入ると、猛禽の鳴き声が頭上に響く。お互いを呼び合っているようである。
見上げる大きな樹木の天辺にツミのオスの姿が見える。オスがいるということは、近くにメスがいるはずだと、しばらく待ってみることにした。
そのうちにオスが飛びだして、遠くで鳴き声が聞こえたと思ったらメスが近くの樹木に入った。
どこかでプレゼントをもらって食べ終えてきたのだろうか、くつろいで羽繕いをして体を丸く膨らませている。
そのうちにメスが、飛び出しのように低い姿勢をとったかと思うと、いきなり頭上を越えてオスがやってきた。
すると、すぐに目の前で交尾が始まった。幸い正面にいたので、その表情を一部始終観察することができた。鳥たちも恋の季節になったのである。その営巣の観察もまた楽しからずやと、期待しているところである。
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