君はどこへ行くのか 続 続 続 キツネ
アオサギやカワウの縄張りの中州にいてもどうも居心地が悪い。餌を探しても石ころばかりで、魚さえ転がっていない。
遠くを見やればカワウが羽を大きく広げて、こちらにおいでよとからかっている。腹の中では、本来ならばお前はすでに餌食になっているぞと、キツネは思っている。
キツネもどう考えてもこの状況では何もできない。追いかけてもカワウには羽があるから、川の上に飛んでしまえばお手あげである。
時々遠くを見るようなまなざしで、対岸を見ている。多分ねぐらは対岸にあったに違いない。ひょっとすると今回の多摩川の増水でねぐらが流されてしまったのではないだろうかと心配する。
それでも石ころだらけの狭い中州を、行ったり来たりと動き回ってみるが、得るものは何もなさそうである。
それでは、元気を出してもうひと泳ぎして、対岸に渡るしかないかなと考えている。そのうちに姿が見えなくなってしまった。かなり遠いところにいるので、ちょっと目を離したすきに再び泳いで対岸に向かったようである。
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