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四国・四万十川の旅

  • 金比羅宮
    2008年5月の連休の四国四万十川の旅

文化・芸術

ルーブル美術館展  上野公園を歩く

 朝夕はすっかり涼しくなり過ごしやすくなってきたが、それでも日中はまだまだ暑い日が続くこの頃。涼しく過ごすには冷房の効いた公共の建物が一番。

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       アルテミス

そんなわけで、9月23日まで上野の森で行われている「ルーブル美術館展」に行ってきた。古代から19世紀まで4000年に及ぶ歴史の旅を上野の森で楽しむことにする。

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現在でも政情不安で同一民族が殺し合い、それがニュースになって報道されている地域であるが、エジプト文明、エーゲ文明からギリシャ・ローマ文明が誕生した地中海である。

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              上野大仏

 ちょうど西洋と東洋が交差する場になる地中海の歴史美術を堪能した。目的は、1808年にルーブルに収蔵されて以来初めて館外に出品されるといわれ、日本では初公開となるルーブルの女神「アルテミス」。

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       不忍の池のハス

通称「ギャビーのディアナ」といわれる信奉者たちから贈られたマントを留める狩りの女神像である。大理石で表現された清楚な容貌と肩に手をやる細やかな表情が美しい地中海の魅力である。

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地中海4000年の歴史を楽しんだ後は、久しぶりの夏休みで賑わう上野の森と不忍の池を歩いた。濃い緑の桜並木の中にある「上野大仏」に健康祈願の参拝。

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              西郷隆盛像

 明治維新の指導者、西郷隆盛像に手を合わせる。鹿児島にある西郷さんは軍服を着ているが、何故か上野公園の西郷さんは浴衣姿の普段着で薩摩犬をひきつれている。

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       レトロバス

近い将来地中海の世界遺産を廻ってみたいと思いながら、石畳の階段を降りて不忍の池一面に咲くハスの花に、夕暮れ時の涼やかな風を感じて、のんびりと歩いて駅に向かい家路についた。

安曇野ちひろ美術館  子どもを生涯のテーマとして描く

早朝のさわやかな風を受けて緑濃い林に囲まれた安曇野の道路を左に曲がると、一面ゴルフ場のようにきれいに手入れをされた目の覚めるような芝生が敷きつめられた駐車場に入る。

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        庭園からちひろ美術館

北アルプスの残雪が白く見える山々を背景にした安曇野ちひろ公園の中にその美術館はある。公園の脇には清流、乳川(ちがわ)が流れ、一面の葦原にある河原の大きな木の枝では、オオヨシキリが「ギョギョッシー、ギョギョッシー」と鳴き、大きな木から土手の草木へ飛んだり、また戻ったりと元気に遊んでいる。

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        オブジェと美術館

緑の絨毯のように広がる田んぼの中に、遠く山々を背景に白い壁の民家がひときわ目立つ。こんな光景を眺めていると、ちひろが愛した安曇野の光や風、豊かな自然を感じる。

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        石のオブジェと田園風景

ここには、生涯にわたって子供を描き続けた絵本画家いわさきちひろの作品を始め、世界の絵本画家の作品が展示されている。子どもの表情を描く独特のやわらかい水彩画の筆のタッチは、その作者の子どもに対する気持ちが細かく表現されている。

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       美術館の中庭

広い芝生の庭に、チェコの絵本作家、クヴィエタ・バツォウスカーがデザインした、黒と赤を基調とした2つの池と8つの石のオブジェがある。石を真っ二つに切った切り口は鏡面に磨き上げられ、数字や文字などが書かれており子どもたちがその間に入って行ったり来たりしながら遊んでいる。

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        カフェから

その庭を通って美術館の入り口を入ると、展示室があり、「ちひろの仕事」「ちひろの人生」「絵本の部屋」「ミュージアムショップ」「子供の部屋」「カフェ」などとテーマごとに部屋が分かれ、それぞれ順番に見学できるように配置されている。

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       鏡面の水盤

まず腹ごしらえということで、雄大な北アルプスの山並みが見えるカフェで軽食をとる。せっかくだからと眺めのよいオープンテラスのテーブルに座り、目の前に広がる安曇野の風景とコーヒーを楽しむ。

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        黒姫山荘を望む

生垣越しに咲く紫陽花の向こうには緑の芝生が広がり、「ちひろの黒姫山荘」が見える。1966年長野県の黒姫高原に、いわさきちひろが建てたアトリエを兼ねた山荘をここに復元したもので、かつての居間や仕事場などが素透視の硝子越しに外から見ることができる。また、その仕事場の周りには絵本なども展示されている。

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        黒姫山荘

ちひろの作品は、母親として子育てをしながら、こどものスケッチを積み重ねる中で生まれたといわれる。水彩画でも独特な雰囲気を出しているが、日本の伝統的な水墨画の様なぼかしやにじみで子供のいろいろな表情を描きだしている。好きな絵の一つである。

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展示室1の「ちひろのしごと」を時間をかけてみていると、数ある子どもたちの絵の中には、青春時代に戦争を体験したことから 「世界中のこどもみんなに平和としあわせを」 というメッセージを残している場面が多い。

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       オブジェと美術館

 世界各地ではいまだに戦争が行われているが、どこでも犠牲になるのは未来ある子どもたちである。戦争の中で生まれ、戦場しか知らない子どもたちもたくさんいる。

戦争を知らない世代が多くなった一見平和な日本では、聞いて驚く我が子の虐待、過激ないじめなどによる子供たちの自殺などが多くなっている。

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 これは戦争よりも悲劇的な出来事である。命の尊さと平和の大切さを後世に語り続けていかなければならないと、安曇野を歩きながら改めて考えるこのごろである。

足立美術館  日本一の庭園と横山大観

”どじょうすくい”の安来節で有名な山陰道安来インターを降りると、芽吹きだした山々のパステルカラーの薄緑を背景に、菜の花が咲く飯梨川に沿って上流に走るとどじょう会館という大きな看板のあるとなりの大駐車場のある建物が足立美術館である。

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中国の黄砂の影響で空はどんよりと曇り、車は白く汚れているがそれを我慢すればやはり五月の風、さわやかである。

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         創設者 足立全康と庭園日本一の案内

この美術館は、日本庭園のすばらしさで外国人の評価が高かったことで話題になり、最近は国内でも人気のある美術館になっている。今回の山陰旅行の目的の一つはこの美術館で横山大観を見ることと、ここの日本一の庭園を楽しむことである。

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          苔庭

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玄関に一歩足をふみいれると眼の前には枯山水の大庭園と借景の山々が織りなす深遠な調和美の世界が広がっている。背景に見える自然の山々と美術館の築山がきれいに調和していてその風情に感嘆する。

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         白砂青松庭

館内は1階が喫茶室や茶室がありゆっくりと庭園を眺められる「名園の時間」、2階は庭園美を味わった後美しい余韻を持って名画との出会いが始まる「名画の時間」となっている。

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           苔庭

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          木炭

数多く展示された明治、大正時代の蒔絵の工芸品を見ながら館内を歩くと、童画のコレクションに足を止められて見入ってしまう。林義雄や武井武雄、童画もまた芸術だと改めて思う。

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          枯山水庭

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茶室”寿立庵”の苔むした庭園の踏み石を進むと、青竹に清流が流れ、新緑のもみじの葉が逆光に浴びて、ひときわ鮮やかに見える。

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          茶室 寿立庵

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          苔むした庭園

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            新緑のもみじ

”生の額絵” 通路の窓からそれを見ると、その窓が額縁になり外の景色を一段と引き立たせる。こういう設定は各所に見られ、美術品を見る前に庭園を堪能できるようになっている。これもなかなかのはからいである。

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         生の額絵

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                生の掛軸

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               人がいなければ!

5万坪の庭園と言われているので、ゆっくり歩いて見ていても時間がかかるし疲れたので、近くの喫茶室で休むことにした。庭園の池につきだした喫茶室はコーヒーを飲みながら庭園を楽しめるようになっている。足元には大きな錦鯉が優雅に泳いでいる姿が見える。

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          喫茶室 大観

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                生の額絵

コーヒーのスプーンがまた変わっている。竹炭のスプーンを使うと味がまろやかになりさらにコーヒーの美味しさが増すのだという。この庭園の管理をしている職人さんの作ったものだという。一杯のコーヒーも心なしか美味しさが増したような気がする心遣いである。

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          竹炭のスプーン

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               庭園にイソヒヨドリ ♂

横山大観は明治元年、現在の茨城県水戸市に生まれた。「山海二十題シリーズ」などが有名であるが、山に因む十題はすべて富士山をテーマにしている。暗雲立ち込める中の雪を冠った富士山とか、霧雲が晴れあがっていく富士山、霊峰と真紅に燃え上がる旭日などである。

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            庭園からの亀鶴(きかく)の滝

また、海に因む十題は必ずしも二日本の海だけをテーマにしたものではないが、自然の美しさと海の厳しさを季節ごとにその表情を表現している。

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          枯山水庭

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              古井戸

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          中庭

かみさんのお勧めの足立美術館には大変満足した。まるで立体絵画のような観賞式日本庭園と、横山大観をはじめとした近代日本絵画のコレクション、庭園を楽しむムードある喫茶室、演出のコーヒーなどで優雅に過ごせた山陰のひと時であった。

オルセー美術館展2010  ポスト印象派を観る

朝から太陽が照りつける休日、国立新美術館で行われている「オルセー美術館展2010」を観にいくことにした。かみさんは若いころにフランスのオルセー美術館に行ったことがあるという事で詳しい。

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小田急の多摩急行を使うと、乗り換えなしで千代田線の乃木坂駅までいける。駅からは美術館に直結しているので改札を出ると案内の通りに歩くと美術館まですぐである。不動産屋さんの案内だと徒歩0分という感じである。

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改札を出ると、すぐのところで入場券を売っている。美術館の入場券売り場では長い行列になるので、ここで入手すると便利である。

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国立新美術館の建物は一見総ガラス張りのたてものである。設計は黒川紀章・日本設計共同体で平成11年度より設計に着手、敷地面積30,000㎡、建物延べ床面積約45,000㎡の規模で平成17年に完成した。

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建物は、地球環境に配慮し、「人」にやさしく、国民に親しみをもたれる施設になるように設計されている。外部の丸みを帯びたガラスカーテンウオールとひさしが緑の木々に映えてきれいに映っている。

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地下一階、地上四階の五層の建物は、四層吹き抜けの天井高21m、自然光あふれるアトリウムと、その上部にレストラン・カフェが2階、3階に設置されている。アトリウムや外部庭園を眺めながらのコーヒーブレイクは心和ませるものがある。

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2、3、4Fの展示室の前には、エントランスロビーアトリウムに張り出した形でホワイエがあり、ここからはまた、アトリウム越しの外部庭園を見渡すことが出来る。

展示場内には、115点の絵画が展示されている。説明によると、これらの絵画がまとめてフランスを離れることは二度とないといわれている。モネ5点、セザンヌ8点、ゴッホ7点、ゴーギャン9点、ルソー2点を含むが、半数以上は初来日だという。

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ここに来る前は、オーストラリアのキャンベラでの展示、8月16日の日本での展示が終わるとサンフランシスコのデ・ヤング記念美術館に巡回する予定との事。

かみさんの案内で観てまわるが、私にもいささかの絵心はある。好きなのはクロード・モネ、ポール・ゴーギャン、アンリ・ド・トゥルーズ=ロートレック。

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モネは「蓮」シリーズ、ゴーギャンはタヒチでの作品、西洋文明に絶望しタヒチに楽園を求めて渡ったが貧困や病気に悩まされながらも、「タヒチの女」や「3人のタヒチ人」などを残している。

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三十数年前タヒチのゴーギャン美術館で見た作品を思い出しながら鑑賞し、モーレア島でのコバルトブルーの珊瑚礁の海とパレオ姿のきれいな女性を思い出していた。

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また、ロートレックはフランスの伯爵家のうまれであるが、子供のときの足の骨折から発育が停止し、成人したときの身長は152cmにすぎなかった。身体障害者として差別を受けていたこともあって、娼婦とか踊り子のような夜の世界の女たちに共感して、そういう場面の作品が多い。「ムーラン・ルージュ」や「女道化師」などである。

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           人懐こいスズメ

休日は、都心に出てくることはほとんどないが、たまにはのんびりと出かけて一点集中で楽しむこともいいものだと思った。最近の再開発の新都心はそういう意味でいい環境を提供してくれていると感じた、これからは都心散策も視野に入れることにする。